死にかけた!/卵巣嚢腫開腹手術体験記

卵巣癌かもしれない?! 突然告げられたと思えばお次は血栓で緊急入院! 卵巣がんの疑いが濃厚だったけど、蓋を開けてみれば良性だった私の卵巣嚢腫開腹手術の体験談を書いていきたいと思います!

私は元気です。

昨日、10年ぶりに、当時同じ病室に入院していた方と再会し、お互いの無事を喜び合えました。

そしてこのブログを思い出してアクセスしてみたら、最近でもぽつりぽつりとアクセスがあるようでした。

手術当日以降の記事を書かないまま8年も経っているのに、どなたかが情報を求めて探してくださってたんだと知りました。

かなり古い情報にはなりますが、気持ちの面で、少しでも役に立ってくれていたら嬉しい。

もう何年も経って、メモを見ても当時の記憶が薄れていて、記事の続きを書けないかもしれず、申し訳ないです。

また、コメントも頂いていたのに、メールでの通知が飛んで来ず、気づいておらずすみません。
時間を見て、公開とお返事できたらいいな。

近況としては、不妊クリニック通いを経て子どもを授かりました。
残った片側の卵巣はその後も大きく腫れることなく、頑張ってくれました。
ただ、片方の卵巣だけで頑張ってたからなのか原因は不明ですが、AMHホルモンの値が非常に低かったです。卵巣年齢が実年齢よりも10年以上も上回り、卵子の発育も芳しくなく、不妊体質かと思われましたが、新しい命が生まれてきてくれました。


婦人病の闘病記では、子を諦めなくてはならなかった方がたくさんいらっしゃいます。
私は、ただただ、運に恵まれたのだと思っています。

自分で書いたブログを読みながら、何年ぶりかに当時を振り返りつつ、この手に預かった命を、大切に育てていきたいと気を引き締め直しています。

また折に触れて近況報告できればと思います。


この記事が、どなたかの励ましになることを願って。
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下大静脈フィルター留置術

この処置について、学会のサイトに分かり易い資料がありましたので、リンクします。

朝、処置に呼び出される 

その前に、朝4時頃にヘパリン点滴止めに来るだろうなーと思ったのですが、5時半くらいに目が覚めたときに、まだ点滴が流れていたので、ナースコールで止めるはずなのに止まっていないですよ、と報告した覚えが有ります。

そして、二度寝からさめた後、8時45分に出発。
当日、処置室までどう移動したかは忘れてしまいました。

レントゲン棟の一室で、細い平均台と見間違えるような狭い場所に横になります。
準備するとき、透明なプラスチックのコの字型のものを頭の位置に乗せられ、布を被されました。
なので、全く周りが見えません。

たぶん、準備が終わった段階で、偉い先生に交代したんだろうなというのが気配で分かりました。

まずは、麻酔です。ジャブです。
まあ、麻酔なんて、歯医者でもやるもんだし。
などど、余裕のポーズを取る私。でもとても緊張していました。

そして、本番。
直径2〜3mmはあったのでしょうか。
ペン先ほどの太さの針を、右側の首元(鎖骨より少し上の頸動脈のあたりでしょうか?)にさされます。

うっ、痛い……
痛い!
痛いし痛いし痛いし!

針が刺さるだけで痛いのはおかしい。
ということで、麻酔が追加されました。

気を取り直して刺し直しますが、う〜ん。なんだか、失敗したようでした。
首から肩、背中にかけて、生暖かいような液体がトクトクと流れ落ちていくのが分かります。
もちろん血です。
ゲゲーっ、と思う位の量です。
たぶん、この出血自体は異常ではないと思いますが。 

刺したあとは、腹部の二股に分かれるところまで管を通し、フィルターを広げて血管に固定→終了の流れのはずでした。
つまり、刺す段階さえ越えればあとはすぐ終わる、はずだったんです。

その予定だったのに、針がうまく血管に入らなかったみたいでした。
もう一回刺し直し。

まあまあまあ、ベテランの看護師でも間違えることはあるからね。
気を取り直して行こー!
と、寛容でいられたのも束の間のこと。

大人の男性から体重をかけられながら、太い針、もとい、管を刺されます。

もう、ちゃんと入ってくれよ~~~とか思いつつ待っていたら、「また入らない」との声。
おいおいおい、新人ナースじゃあるまいし!と思いましたよね。

そこからが、地獄絵図

何度も何度も首から刺されるんです。
麻酔きいてるはずですが、もう関係なく痛いんです。カテーテルの管が、背骨と肺のあたりをグイグイ押し広げていくようで、苦しくて仕方ない。
悟りましたよ、人は脳で痛みを感じるのだと。

先生も、おかしいな~、とか、こんなに入らないのは珍しいよ、とか、隣で言うもんだから、余計怖い。
とにかく、早く終わってくれという一点しか頭にありません。
パニックになりかけていたと思います。

刺し直された回数は、途中まで数えていたけど、10回過ぎたあたりから、だんだん曖昧になってしまいました。

うまく入ったと分かったあとは、本当にあっという間で数分で終わり。
いったい、それまでの苦行はなんだったのか…。

ストレッチャーで病室まで運ばれました。
時計を確認すると、当初の予定時間は30分程度だったのが、終わってみれば1時間半以上は経っている。

こんなに、難しい患者はほとんどいないと言われるほど、難事件だったようです。

看護師が麻酔の量が12mlだったと教えてくれました。たぶん多いのだと思います。 

病室に帰ってからは、安堵とともに号泣してしまいました。
こんなに泣いたのって大人になってから無いよってくらいです。

本当に、すぐ上体を起き上がらせることが出来なかったです。
ふらふらして、血圧も足りず、しんどかった…。 

前日準備

その後、麻酔科の医師が確認にきたり、手術室の看護師が来たり、と忙しかったはずなのですが、もはや、そのイベントの重要性などぶっ飛んでしまうくらいのトラウマ経験。

そうだ。プチ事件といえば、手術用のぶっとい点滴を指す先生が、これまたものすごく針をさすのがヘタで、
3回くらい失敗されました。

しかも、刺したところが、長〜い青タンになって、退院する頃まで消えなかったです。

私の周りでは、とにかく男性研修医は全員針刺しが下手でしたね。

夜、マグコロールPも飲みました。
一から読んで頂いた方は見覚えのある字面かと思います。
これね、絶食中の人に飲ませるなんて、悪魔の所行と言わざるを得ない。
空腹に流し込まれる味の薄いポカリスエットのような、プロテインのような液体。
冷えているうちに一気にのみ、残りを水と交互になんとかチビチビ飲む作戦が一番よいかなと思います。
※追記 昔の記事を見直していたら、手術前日のマグコ(看護士さんはこう呼ぶ)は1分足らずで飲めたらしい自分。たしか、このフィルター留置術の前から絶食し、そのまま手術前の絶食に移行した為、ものすごくお腹が空いてたんです。そのために一気飲み出来たのでしょう。人間って、やっぱり動物ですね。

それにしても、本当に、この日の痛みは忘れません。
私のこの苦い経験を学会で発表し、針が刺しにくい若い人もいるから改良せよ!と声高に主張したいっ。

そして、次の日はいよいよ(ここまで長かった…)手術当日です。

つづく。
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すっかり報告した気になっていました。

遅ればせながら、婦人科の術後一年診察についてご報告です。

簡潔に書きますと、術後1年の診察に向かったところ、内診後、卒業ですね!の一言。

私も、今まで長い間ありがとうございました。と一言。

本当にサッパリとしたものでした。

特筆すべきことがあるとすれば、内診時に、これ、傷跡に何か透明な保護テープでもつけてるの?と聞かれるくらい、どうやら傷跡がキレイに治って来ているらしいこと。

それでも、友達と温泉や海にいけばすぐ見つかるくらいの大きな目立つ傷ではあるんですが、逆に人に見せてもいいくらいの傷とも言えるので、良かったと思います。

しかし、あれだけ色々イレギュラーなことが起こったとは思えないスッキリさ加減。

アカンアカン、この喉元過ぎれば熱さを忘れる自分の楽観主義をたまには戒めねば、と思った次第です。

本編のほうは、正直に申し上げて、全く筆が進みません。
理由は自分でも分かってます。
実は、この先がしんどい展開だからなんです。
なので、変に感想文スタイルにせず、ノートにつけた日記の文章をほぼそのまま転記しようかな、とも思い始めました。
手術当日から、有る程度マトモに思考ができるまでに回復するまでの間の日記は、まとめてドバーッと書いているので、ちゃんと話が繋がっているんです。
(他の日は、日記というより、単なる記録みたいなものなので)
それなら、週末に機械的に書き起こせるかな、と。
年内には3-4記事くらい書きたいです。

リアルタイムの今後についても、退院後の様子は検診時などに書いて行きたいと思っています。

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